7年間〜今の私ができるまで〜 その9
| <中学生> 「このまま進級できるとは思わないで下さい」 そう先生に言われたのは、中学生の頃のこと。そんなおどしのようなことを、なぜ言ったのかは分からない。でも、さほど気にせずに日々を過ごしていたら、進級できるどころか卒業できてしまった。結局、私が卒業しないでいて一番困るのは学校らしい。 中学生の頃は、中間テストと期末試験のときだけ、それらを受けに学校に行ってました。先生に「テストだけでも」と言われたこともあったけど、その頃は「E」に通っていて、なおかつ家でも教科書をひろげる時間を作っていたものだから、腕だめしのつもりでした。 たまに行く学校というのは、一種独特の雰囲気のものに見えますね。当然なのかもしれないけれど、平然とした顔で教室まで歩き、自分の席を聞いて座る。これだけするのに、かなりの人の視線を集めてしまいます。 廊下を歩いていると、目の前の女の子が別の女の子にかけよって、 「ほら、○○さん(私の苗字)よ」 「え、あの人が?」 「こそこそ」 「ひそひそ」 くらいは必ずある出来事。 そうかいそんなに有名かい、と開きなおってしまえばなんてことないのですが、ひそひそ話は聞こえないところでやろうよと思ってしまいます。聞こえるように言う「ひそひそ」ほど、たちの悪いものはないでしょう。 「あ、来たの?待ってたのよ。ねえ、お昼は一緒に食べましょうね」 「はあ?」 かと思えば、私の知らない私と親しい人がいたりします。 誰でしたっけ、あなたは。顔も知らないんだから、相当知らない人のはず。 なのに、なぜ仲がいいように振舞うのでしょう。不登校の子を親切にしてあげれば、内申書の中身がよくなると思ってるらしいです。いやな考え方だ、その子は本当に私と仲良くなりたかったかもしれないのに、と、言われそうですね。でも、本当に親切な人がそんなに「自分は親切」と表に出すでしょうか。 実際、その子がテストの点数を聞いてきたときのこと。 「何点だった?」 と言うから見せました。好きなところがちょうど出題されていたから、珍しくも結構良い点数だった。 一泊あいて、 「すごいね」 と聞こえてくる。どうやら彼女より良い点をとってしまったらしい。 このことは、彼女のプライドを傷つけてしまったのかもしれません。 後日、職員室で、彼女は先生に 「あの子は学校に来てない。それでもやっぱり試験で良い点をとれば通信簿に良い点がつくんですか?」 と聞いていた。 たとえテストで良い点数をとっても、通信簿には、良い点はつかない。それが事実だけど、でもそれを知って彼女は安心するのだろうか。安心するのだとしたら、一体何にだろう。 「うわー、1、1、1、あ、2があった。お父さん、斜線!斜線があるっ。すごい、こんな通信簿もらえる人って数少ないよね」 「斜線って?」 「ほら、体育とか。「/」になってる。めずらしいね。すっごい貴重!」 「おー、ホント。お父さんもそんなん見たことない。すごい!」 と、まあうちではこのくらいの話題にしかならない通信簿でも、家によっては非常に重大なものになるから、驚きです。 そういえば谷どんがこの前、通信簿をつける時期になって忙しい、ともらしていたことがありました。彼の勤める小学校では、AとBとCの三段階評価らしいです。 「つまり、『良い』と『普通』と『悪い』だね」 私の言葉に谷どんが、 「何をもって『良い』とするか、判断できてないのにしようとするんや」と言っていたことが印象に残っています。 |