くじ屋さんです。これは、神社さんのおみくじと同じように運試しの一環でしょう。私が子供のときは100円ぐらいでしたが、今や300〜500円が相場の様子。UFOキャッチャーとちがうのは、外れでもなにかもらえるということ。外れ商品がうれしいとも思わない今ではさすがにやりませんが、高価な商品を陳列し、「当たるかも」と思わせておくという意味では部分的にパチンコなんかと似ているかも知れませんね。三角くじを引かせるのが一般的です。だれに聞いても大したもん当たったことないよという。
やはり、この祝祭空間は人の欲望を喚起するはたらきがあるようです。ゲームセンターでも同じような感じかもしれませんが、こうした雰囲気が一種の装置となって、お客に金を注ぎ込ませるのです。
しかし笑った、もうファミコンなんて売ってないっつうのに(^^;。それからハンバーグって何。トラのくじも謎です。ちなみにここに行ったのは、阪神タイガース優勝の1日前だったんですけど、なんか関係あるのかしら。それにしては中途半端なトラのぬいぐるみ。
上はすべて同じ縁日にあったものです。ご覧のとおり、いったいここはどこ?って感じですよね。「名物」といわれるものなら、どこのでも持ってくる。写真は失敗してましたが、イタリア料理やメキシコ料理やら、色々ありましたね。
これはおそらく、テキ屋さんが旅人であるということを明確に示しています。船にのって旅をする寅さんがいい例ですが、テキ屋さんは伝統的に流浪の旅人。色々なところを回るのですが、それでもちゃんと生活が成り立ってる。縁日という祝祭空間には、「お金を使わせるチカラ」が強く働いていることを示していると思います。
縁日というのは民俗学で「ハレ」の場だといわれます。「ハレ」とは、特別な日に特別なところへ行って楽しむ物事や感情のことをいいます。その対立概念としては「ケ」がありますが、これは日常生活のこと、それから「ケガレ」というのが忌まわしいもののこと。現代では、目的が消費の方に行ってしまい、消費することが「ハレ」であり楽しいこととなってしまうということです。むかしの神々の祝祭空間とはえらく違ってきているのですね。
東京ケーキですって!ちなみに、売ってるのは普通の鈴型のカステラ。「栄養わかもと」は、昔あった滋養強壮剤です。「強力わかっもと♪」とかいうCMの歌がたしかありましたっけ。あんなん入ったケーキって一体。見るからに古さをかもし出してますよね。
思うのは、これはこのお祭りが開かれる地元の人たちにとって、「東京」が珍しく怖かった時代に作られた看板なんだな、ということです。今なら、物価はどこより高く、あまり優しい街ではないということを覚悟し、ちょっと勇気を出せば東京に出て行くことは誰にでも可能です。しかし、こういう看板でお客を呼べたのは、やはりテキ屋さんが旅人であることから、旅人にしかわからない「東京」という都会を見せてやろうということだったんでしょう。ちょっと前に流行ったサザンの「東京」はものすごく哀しい歌でしたが、この頃の地元の人にとって、「東京」はたぶん夢の街でした。だから地元の人は、珍しがって集まってきたと想像がつきます。
いまは――どうでしょうね。見物人は多かったですが、買う人がいるのかどうかは謎です。やはり、簡単に遠くへ行くことができる新幹線・飛行機の誕生は、人々の珍しさや夢の意識まで変えてしまったのですね。
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